携帯電話料金



今年8月、菅義偉官房長官が「携帯電話料金を今より4割程度下げる余地がある」と言及し、話題になった。今の料金が高いと感じている人たちは歓迎したし、政府が民間企業に何を言っているのだという論調も出た。もうすぐ半額くらいになるんだよね、という声も聞くが。

◆決して高いわけではない日本の大手キャリアの携帯電話料金

 まず、日本の携帯電話料金は、世界と比較してもそんなに高くない。

 9月19日に総務省が発表した「電気通信サービスに係る内外価格差調査 平成29年度調査結果」によると、大手キャリアではデータ量2GBや5GBが世界的に見て中位の水準、MVNO(格安SIM)も中位の水準となっている。大手のデータ量20GBプランのみ高い水準とされ、逆にフィーチャーフォンについては低廉な水準になっている。

 個別のデータを見ていくと、確かに東京が一番高くなっているプランはある。特に、その国のシェアトップ(NTTドコモ)のプランを比較したときは高めに出る。しかし、このデータは長期割引を入れずに比較しているし、端末の割引も含まれていない。

 シェアトップ事業者のプランで、iPhone 8 64GBを購入した状態で比較すると、ニューヨーク、ソウル、ロンドンに続いて東京が来る。今回の6都市では安い部類に入るのだ。

 とはいえ、ほかの国々と比べて高くないとはいえ、もちろん安いとも言えない。

 昔と比べて、家計に対する電話通信量の支出額は増える一方で、2016年は4.14%、年間12万392円という負担になっている。もはや携帯電話やスマホは1人1台の世界になっているので、家庭持ちが支払っている金額はさらに大きい。「4割安くなってくれ」と思うのは当然だろう。



◆大手キャリアの料金引き下げを待たなくてもコストカットはできる

 しかし、わざわざ大手キャリアの料金引き下げに依存しなくても、その選択肢はすでに用意されている。それはMVNOが提供する格安SIMや格安スマホを利用すればいいのだ。音声通話が可能な名プランでも2000円以下に抑えられる。音声通話をしないなら、月額数百円で済ませられるプランもある。

 デメリットとしては、通信が混雑する昼間に速度が遅くなることがあったり、契約方法がわかりにくかったり、販売店がないという点が挙げられるが、コストを抑えているのだからそれは当たり前だ。

 膨大なお金を掛けて整備した通信網のフルスピードを使い倒したり、全国にスタッフを揃える実店舗を展開・維持したり、大量のサポート人員を確保するには、お金がかかるに決まっている。そもそも民間企業である大手キャリアは利益を追求するのが義務だ。それを損なうような値下げなどを安易にするば、株主からの批判は避けられない。

 今回のように、政治が大手キャリアに物申すのは、単に消費税増税とのバーターや、政権の人気取りを目的としているように見える。儲かっている企業を叩けば、不満を持つ国民のガス抜きになるという効果もありそう。スマホ料金の高さに不満を持つ賢明なユーザーは、大手キャリアの料金引き下げを待たずにMVNOに乗り換えればいい。そのほうが選択肢はたくさんある。調べれば、情報はネット上にたくさん出ている。

 そもそも丁寧なサポートや高品質な通信、端末の分割払いとその割引、全国各地にある実店舗などを利用したいなら大手キャリアを選べばいいし、なによりコストを抑えたいというならMVNOを選べばいいだけ。選択は、とっくの昔にユーザーの手に委ねられているのだから。



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